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劣化ウラン弾


劣化ウランの比重は約19で、鉄(約8)の2.5倍、鉛(約 11)の1.7倍である。
そのためこれを合金化して砲弾等の兵器に用いることで大きな運動エネルギーを得られるため、
主に対戦車用の砲弾・弾頭として使用される。

「劣化ウランって何?」と思う方がほとんどだと思うので劣化ウランの説明もさせていただきます
原子力発電所などでウランを燃焼させるとU-235が減少しU-238の濃度が増加します
このU-238の濃度が高いウランは核分裂を起こさない物で廃棄物となりますしかし一昔前まではこの劣化ウランの有効な処理法
がなかったため地底深くに埋めたり孤島に捨てるなどして劣化ウランを処理していました(まあ処理とはいえませんが)
その劣化ウランを固め弾丸にしたものが劣化ウラン弾です

また金属でありながら圧力をかけると自ら発火し、
約1,200℃で燃焼するという性質をもつため、着弾の際に焼夷効果が期待できることから、
対戦車砲弾等に応用した場合には高い貫通力を発揮するのみならず、
弾頭としてきわめて望ましい特性をもつ稀有な素材であると言える。

GAU-8/A:米国空軍の30ミリ砲弾。約300gの貫通芯のうち99.25%が劣化ウラン。
フェアチャイルドA-10AサンダーボルトII攻撃機から毎分4200発発射される。
M735A1:合衆国陸軍105ミリ砲弾。約2.2kgの劣化ウラン貫通体を持つ。
M1戦車およびM60戦車の主砲が使用。
M774:約3.4kgの劣化ウラン貫通体を持つ。使用はM735A1に準じる。
M829・M829E1・M829E2:約4.9kgの劣化ウラン貫通体を持つ。合衆国陸軍の120ミリ砲弾。
M1A1戦車およびM1A2エイブラムス戦車の主砲が使用。
M833:約3.7kgの劣化ウラン貫通体を持つ。
合衆国陸軍の105ミリ砲弾。EX35の105ミリ砲のシステムで使われる。
XM919:約85gの劣化ウラン貫通体を持つ。
合衆国陸軍の25ミリ砲弾。主としてブラッドレー戦闘車で使われる。
XM900E1:約10kgの劣化ウラン貫通体を持つ。合衆国陸軍の105ミリ砲弾。
名称不詳の合衆国海軍の20ミリ砲弾:艦艇のファランクス対空迎撃システムに利用。使用はBlock0のみ。
これら以外にも、防御用としてM1A1(HA)、M1A2戦車の装甲用構成部品として劣化ウラン装甲が使用されている。

トマホーク巡航ミサイルには劣化ウランは使用されていない(1999年に米国防総省は明言しており、
またトマホークの運用上・特性上も使用する意味が希薄である)。
ただし、新型のタクティカル・トマホークの地下貫通型については可能性があるが、
2005年春の時点で未配備であるため確認は取れていない。

バンカーバスターにおける劣化ウランの使用は、
BLU-109/Bについては使用されていることが確認されている(ロッキード社の特許を申請に明記)。

アメリカ以外で劣化ウラン弾を装備している国は、ロシア、イギリス、フランス、中国など。いずれも国連安全保障理事会の常任理事国であり、
外征型の部隊・装備を整備・保有している点で共通する。

このうちイギリスは、主力戦車チャレンジャー2の主砲換装を決定、
使用砲弾も砲製造会社のものに変更するため、劣化ウラン弾の生産を停止。
ドイツ・ラインメタル社とスイス・RAUG Land Systems社が生産する120mm滑腔砲のどちらかが採用予定であり、
両社とも劣化ウラン弾は生産していない。
故にイギリスは、将来的には(主力戦車の主砲弾としては)劣化ウラン弾頭を装備しなくなる。

ドイツ(旧西ドイツ)は、環境汚染を理由に冷戦時代から今日までレオパルド戦車でタングステン砲弾を使用し続けている。
日本の自衛隊も2005年春の時点ではタングステン砲弾を配備しており、
劣化ウラン弾は保持していない。(海上自衛隊が保有する護衛艦の一部に搭載されている対空迎撃システム、
ファランクスCIWSの最初の量産モデルであるBlock0では、メーカー純正の弾頭には劣化ウラン弾が採用されていたが、
このBlock0を導入した海上自衛隊では弾薬を国産化し、アメリカ製の劣化ウラン弾は当初より使用していない。
また、アメリカにおいても後継の量産モデルであるBlock1(1988年)からは劣化ウラン弾の使用を止めている)

日本とドイツにおいては、その軍事力の運用に際し専守防衛を旨とする点でも共通しており、
自国土・領海内での使用を前提とした装備については劣化ウラン弾頭を配備しない方向性が明確である。
1991年の湾岸戦争で、米軍がイラク戦車部隊に使用した(公式には約300トン)。

その後、NATOによるPKF多国籍軍がボスニア紛争およびコソボ紛争に介入し、
ボスニアで約1万発、コソボでは約3万発の劣化ウラン弾を使用したことを公式に認めている
劣化ウラン弾頭が着弾し、あるいは劣化ウラン装甲に被弾することによって劣化ウランが燃焼すると、
酸化ウランの微粒子となり環境に飛散する。
そのためこれを吸引する等して体内に取り込まれた場合、
内部被曝や化学毒性などによる健康被害を引き起こすとして、
その影響が懸念されている。

湾岸戦争後、米軍の帰還兵などに「湾岸戦争症候群」と呼ばれる健康被害が確認されており、
劣化ウランがその原因の一つではないかとする説がある。
また過去にも劣化ウラン弾頭が使用されたボスニアやコソボ等の地域においては、
白血病の罹患率や奇形児の出生率が増加した等と主張する健康被害が報告されている。

ただし、これらの指摘・症状と劣化ウランとの因果関係の証明には、
まず疫学的に有意なデータを得るだけでも膨大なサンプル数の確保と時間が要求されるため、
標本の量・質とも決定的に不足する現段階では、
シロ・クロのいずれとも結論を出すのは困難であるという指摘がある。

これらの懸念や報告に対し、劣化ウラン弾頭や劣化ウラン装甲を使用する当事者であるアメリカ政府の現段階の公式見解では
劣化ウラン弾による健康被害を否定しており、
この症状は劣化ウラン弾による影響ではなく、
フセイン政権がかつて用いた化学兵器の残留物の影響であると主張している。
また「湾岸戦争症候群」についても、イラク軍による油田破壊によって放散した化学物質の影響や、
戦争前に兵士に投与された対化学戦用ワクチンの副作用によるものであるとする説もある。
湾岸戦争に限定したそれらの説に加え、
ボスニアやコソボを含む「白血病の罹患率や奇形児出生率の増加」に関するデータも、
当事者として医療現場が主張する統計的な根拠や信頼性に対しては疑問を提示している。

UNEPの公式報告書でも、ボスニア・コソボにおける劣化ウラン弾使用の放射能による影響を懸念・重要視していない。
とはいえ現にボスニアでは劣化ウランが飛散した地域でプルトニウムが検出されており、
調査の結果、劣化ウラン弾頭に用いられた劣化ウランに核燃料用ウラン濃縮工程由来でプルトニウムが混入していたという事実が判明している。

このように、双方の主張と反論は互いにその信頼性・妥当性のレベルで水掛け論の様相を呈しているのが実状である。

他方、環境・人体への悪影響が懸念される以上、
少なくとも安全性を明確に確認するまでは、
予防原則に基き保有および行使は規制・禁止されるべきであるとする慎重な指摘もある。

劣化ウラン弾に関する書籍



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