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燃料気化爆弾


燃料気化爆弾(ねんりょうきかばくだん、Fuel-Air Explosive FAE、またはFAX)とは、爆弾の一種である。
なお日本では「燃料」が抜けて、単に気化爆弾とも呼ばれる。

燃料気化爆弾は、火薬ではなく酸化エチレン、酸化プロピレン等の燃料を空中で放出し、空気と攪拌させ適度な混合率になった時点で
着火させ爆発をおこさせる爆弾である。広範囲に衝撃波を発生させるため、特に人体に多大な影響を与える事で知られる。

音速で飛行する航空機や、一定高度にあるヘリコプターから落下させる事で作動させる。形状的には細長い円柱形に安定翼が付くなど、
ミサイル兵器(またはロケット弾)に似るが、その性質上、自力で推進力を発生させて飛行する能力は無い。
ただし大陸間弾道弾などに多段式ロケットのように積載する事は可能と見られている。
現在では携帯用のロケット弾やグレネードを用いて使用できるものも出てきている。

破片による被害は少ないが、急激な気圧の変化による内臓破裂などを起こさせる。通常の爆弾との大きな違いは爆発によって発生した衝撃波が
長時間にわたって対象に作用するする点である。この衝撃波こそが目立った外傷がない遺体が残されると言う現象の原因である。
通常の榴弾や爆弾と違い破片による殺傷効果はほとんどなく、純粋に爆発のみによって殺傷する兵器である。

この爆弾はおもに人を殺傷することを目的に作られたものである。よって堅牢でない建築物や車両の中にいる人に対しての効果は望めるが
建築物自体に対しての効果はあまり高くない、開けた塹壕に対しても高い殺傷能力がある。ただし機密性の高い建物などの中にいる場合効果は薄いという。
爆発に爆薬ではなく酸素の必要な燃料を用いているため酸素の供給が望めない閉所では使用自体が不可能な場合もある。

この兵器は、放射能や化学物質による汚染は無いため、同兵器を開発・保有している米国では、積極的に運用したがる傾向も見られる。
特に広範囲に敷設された対人地雷の処理には、この兵器による対象地域の一掃が「最も効率がよい」と考えられているようだ。

なお1990年代初頭の湾岸戦争において、広範囲の砂漠に分散して砂中に隠されたイラク軍戦車部隊や随伴歩兵らの兵力を削ぐべく同兵器が使用されたが、
これにより多数のイラク兵が同兵器作動時に発生する巨大な火球によって塹壕や戦車の中で蒸し焼きになって焼き殺されたり
衝撃波で(目立った外傷も無く)圧死した遺体が多く発見された。この状況は、米国内外の反戦活動家の格好の攻撃材料となった。

最近ではサーモバリック爆弾(High-Impulse Thermobaric HIT)とも呼ばれ、どちらも気化爆弾であることに変わりはないが
サーモバリックとは使われている原料の性質からいって正しいとはいえない、FAEでは上記の通り酸化エチレン等の燃料が用いられるが
サーモバリックにはサーモバリック爆薬という爆薬が用いられる。又サーモバリックはFAEの次世代型兵器であるとも言われる。
ちなみにサーモバリックとはThermos(ギリシア語で熱の意)とBaro(同じく圧力の意)による造語である。

↓BLU-96 というFAEの一種、最初の爆発で燃料を散布し燃料が十分に酸化したところで点火し爆発させています。
  透明な輪のような衝撃波が発生しているのがよくわかると思います。



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