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イージス艦

イージス艦とは?

※正確にはイージスシステムを搭載した艦船のことですがここではあえて分けて   解説するものとします

イージス艦とはイージスシステムを搭載した艦船のことで一般的にイージス駆逐艦、イージス巡洋艦などと呼ばれる(日本ではイージス護衛艦と呼ぶが正確には
イージス駆逐艦に分類される)

イージスシステムとは一般的に回転式ではなく固定式のフェーズドアレイレーダーによる強力な探知能力と数百のミサイル、船舶、航空機等の標的を同時に探知し
どれが危険なのか?どのような手段で迎撃するのか?等を瞬時に判断し同時に12以上もの標的を同時攻撃する能力がある。
一般的に使われる回転式のレーダーでは同時に感知できる数も限られ、それによって得られた情報を用いるのも人の判断に依っていました。つまり得られた情報を元に
どの標的に対してどのような手段を用いるか(ミサイルを使うのか砲を使うのか?)どの標的から優先的に対処すべきなのかなどを瞬時に判断する必要がありました。
これをより遠く、また多くの標的を感知し上記の判断を自動で行えるようなシステムを作ろうというコンセプトからアメリカで開発されたのがイージスシステムの起源です。

↓AN/SPY1
↓フェーズドアレイレーダーの一種    ↓アーレイ・バーク級イージス駆逐艦             ↓アルバロ・デ・パサン級イージスフリゲート

イージス艦の歴史

冷戦時代のソ連海軍はアメリカ海軍に比べれば質の面で劣っており、その劣った性能を補うために海戦の際は質では劣っていても量で押して対抗するという
ドクトリンでした(いかにもソ連的、共産主義的ですね)この際の飽和攻撃(対処が不可能なほどの攻撃を同時に加えることによって敵艦船を攻撃しようというもの
例えば同時に20発のミサイルを100%の確率で迎撃できるシステムがあるとして妨害がなければ命中率100%のミサイルを21発以上同時に打ち込めば
確実にダメージを与えられますよね)に対処するためにこのイージスシステムが開発されました。

兵装

これは国や各々の艦によっても異なるがここでは日本のこんごう型のベースにもなったアメリカ海軍の
アーレイ・バーク級イージス駆逐艦を例にとる事とします。

・ミサイル
かつてのイージス艦はmk26(右画像の上)というランチャーが用いられていましたが手動でミサイルの装填が必要など構造が複雑で
手間のかかるものであったため現在ではmk41(右画像下)という垂直発射式のランチャーが用いられています。
装てんできるミサイルはスタンダードミサイル(SMシリーズ、ちなみにミサイル防衛に使われるSM-3はこの一種です)、シースパロー
などの艦対空ミサイル、アスロック対潜ミサイル、トマホーク巡航ミサイル(対地攻撃用)などを用いることができる。

・対潜装備
対潜水艦装備としては先にあげたアスロック対潜ミサイルのほかに種々のソナー、mk32魚雷発射管などが装備されている
もともと駆逐艦は対潜戦闘を主として担ってきたためイージス駆逐艦の対潜戦闘用兵装もそれなりに充実しているといえる。

・火砲
対空戦闘(ミサイルの迎撃含む)、敵艦陸地への艦砲射撃を行うためにmk45 5インチ砲という火砲が装備されている
こちらも目標への照準、発射を自律的に行えるようになっている(イージスシステムによる)
しかし、弾の再装てんにはオペレーターが必要らしい。

・航空機
通常ヘリコプターの離着艦が可能となっている、ここで運用されるヘリコプターはおもに対潜戦闘、或いはその補助に特化したものが多いが
敵水上艦の索敵や陸地攻撃、ベイルアウトした戦闘機等のパイロットなどの救助などの任務を行うこともある(ヘリコプターは非常に汎用性の高い乗り物なのです)
ただ、ヘリコプターの離着艦、燃料補給はできても整備はできないという艦も多く本稿で扱ったアーレイ・バーク級や海上自衛隊のこんごう型もヘリの整備能力は持っていない。

日本の事情

日本ではこのいわゆるイージス艦を最強の艦船と考え盾だけでなく矛としての役割を持っており敵地を叩くぐらい容易だと考える人もいるが日本のいわゆるイージス艦には
アメリカのものと違いトマホーク等対地攻撃兵器は一切積んでいないためたとえ敵地に横付けにしたとしても攻撃することは不可能である。
日本のイージス艦に(イージス艦に限らずあらゆる船舶に)対地攻撃能力がないのは専守防衛を前提とする防衛政策から来る政治的な事情があるからです。

現在はこの高度な標的捕捉、自律攻撃能力などから弾道ミサイル迎撃構想MD(ミサイルディフェンス)において重要な役割を担っている

各国の保有状況

現在の保有国はアメリカ、日本、スペイン、ノルウェー、韓国のみ(ほかにもいくつか建造中、計画中の国にあり)
当然ながら高価な物である故保有には多大な費用を要すること、イージスシステム自体がアメリカにとって高度な軍事機密であり、情報が漏洩しないであろうという
アメリカ側の信頼がなければ導入できないこと(当然ながら親密な同盟国、友好国に限られてくる)事などから導入している国は多くない。。
また中国等のフェーズドアレイレーダーを搭載した艦船のことをイージス艦と呼ぶことがあるが厳密には違うものである

またイージスとはギリシャ神話で出てくる全知全能の神ゼウスが娘であるアテナへ与えたあらゆるものを跳ね除ける無敵の盾イージスに由来する

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