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地雷(land mine)

地雷とは?
地雷とは主に地中や地上に設置し、人や車両の接近や接触等による外的刺激により起爆し接近、接触した人や車両、或いはその周囲にいる対象物に対し
ダメージを与えることを目的とした兵器である。攻撃対象別に対人地雷と対戦車地雷の2種類が存在する。

以下はオタワ条約によって定義された地雷及び対人地雷の定義です。
こちらを踏まえたうえで解説に入りたいと思います

1 「対人地雷」とは、人の存在、接近又は接触によって爆発するように設計された地雷であって、
一人若しくは二人以上の者の機能を著しく害し又はこれらの者を殺傷するものをいう。人ではなく車両の存在
接近又は接触によって起爆するように設計された地雷で処理防止のための装置を備えたものは、
当該装置を備えているからといって対人地雷であるとはされない。

2 「地雷」とは、土地若しくは他の物の表面又は土地若しくは他の物の表面の下方若しくは周
辺に敷設されるよう及び人又は車両の存在、接近又は接触によって爆発するように設計され
た弾薬類をいう。

対人地雷                                           

人(主に兵士)を対象に作られた地雷、物によって威力は異なるが多くは踏んだ足の踝(くるぶし)
踏んだ足を吹き飛ばすほどに調整されており地雷を踏んだことが直接の原因で死に至ることは少ない
もちろん致命傷でないにしても重症であることには変わりないので処置が遅れたり、衛生兵や医師による
迅速な治療が見込めない、例えば戦後の民間人が被害にあった場合は出血や感染症等が原因で亡くなることもある。
またゲリラ等の非正規軍や品質の悪いコピー品などの場合威力過多となる場合がある。
威力を制限するのにはいくつか理由が存在する。1つはあえて殺さないことによって敵の戦力を負傷兵に
向けさせるというものである。例えば10編成の部隊で一人が地雷を踏んだと仮定すれば
まずは踏んだ人間の無力化、治療にかかる手間、一人では満足に歩けないので誰かが肩を貸してやる必要があったり
負傷者に移動速度をあわせなければならないので当然通常字に比べ遅くなる等の効果がある。
つまり殺すことによって無力化される戦力よりも負傷させることによって無力化される戦力のほうが大きいという
判断が理由のひとつである。もうひとつは周囲にいる者への精神的なダメージである。
一瞬で死んでしまうよりも痛みに苦しむ仲間の姿は周囲のものにとっては大きな心理的負荷になる。

地中に埋め、それを踏んだ荷重(圧力)によって起爆するタイプが多いがワイヤーなどを用いて起爆する
地上設置型のものもある、地上設置型の例としてはアメリカなどで使われているクレイモア(右上写真)が有名である
これは仕掛けたられたワイヤーに兵士が引っ掛かることによって爆発するようになっている場合が多いが他にも
リモート操作で起爆したり、時限装置を使って任意の時間経過と同時に起爆という使い方も可能である。
クレイモアは指向性の地雷で地面に対して水平な特定の方向へ大量の小さい金属球をまき散らすことによって
広範囲の敵を殺傷できるものもある。他には第2次世界大戦でドイツ軍が使用したS-マインのように踏む、
もしくは設置されたワイヤーに引っかかると本体が上方へ飛び出しそこから全方向へ小さな金属球を
まき散らす「跳躍地雷」と呼ばれるものも存在する(右図参照)。こちらはクレイモアのように指向性はなく全方位を
引っかかった本人のみでなく広範囲にわたって殺傷が可能であるという利点があるが反面、従来のシンプルな
地雷に比べると単価が高く設置に手間と時間がかかる、空中散布が不可能等といった欠点も存在する。

敷設方法としては人が直接仕掛ける方法とロケットや航空機などで空中散布する方法がある。

対戦車地雷

主に戦車や装甲車などの車両を破壊、無力化するために設計されている地雷である。通常戦車などは最も攻撃されやすいであろう正面の装甲は頑丈にできているが
側面、後方、底部など攻撃の危険が小さくなるにつれ薄くなるように設計されている。このため防弾処理のなされた軍用車両と言えども対戦車地雷による底面からの
攻撃には意外と脆い、又戦車のような無限軌道(所謂キャタピラ)の車両の場合踏むことによって履帯が切れて走行不能に陥ってしまう。
対人地雷同様踏んだ圧力によって起爆するものが多いが磁気によって車両に張り付いたうえで起爆するものやリモート操作によって手動で起爆するもの等もある。
通常は人が踏んでも起爆しないようにある程度の重量がかからなければ起爆しないように作られている、設定によって対人、対戦車どちらにも使えるというものも存在する

航空爆弾や砲弾などを地面に埋めることによって対戦車地雷の代わりに使うといった事例もあるという、最近では道にワイヤーを張っておいて車両が引っ掛かると
道端からロケットが飛んでくるといった仕掛けもあるらしい。

地雷原に遭遇した場合の対応

では地雷原に遭遇しそこを通らなければならない場合はどうするか、以下のような対処法があります。

1、地雷除去専用の機械を使って除去を行う
  対地雷装備の充実した軍隊であれば専用の機械で除去を行う、かつては戦車の前方に
  ローラーを着けて地雷除去を行っていたりもしたが現在はワイヤーに数珠のように
  爆薬を付けたものをロケットで飛ばし爆薬を爆発させることによって
  地雷を誘爆させるといったものが使用されている
  右動画は自衛隊が保有している92式地雷原処理車の演習です。

2、地雷原に対し攻撃を加える
  大規模な地雷原が存在する場合にはあらかじめ航空機を用いて気化爆弾を投下することによって
  処理してしまうことがある。砲兵による支援が得られるならば地雷原を砲撃してもらったり、戦車の
  主砲によって地雷原を砲撃するという手もある但し、この場合地雷原の地雷を完全に処理することは
  不可能なので砲弾が着弾し、爆発の影響のある地点を進む必要がある
  地上に露出しているものであれば遠距離から対物ライフルなので狙撃して処理することも可能である

3、歩兵用の装備を使う
  スコップや銃剣などを使って埋まっている地雷を探索することもある。地雷は通常ある程度力が
  かからなければ起爆しないので銃剣などで探る程度では問題ない(もちろん危険な作業ではあるが)
  しかし、除去しようとして近づいた人間を殺傷できるように設計された地雷もあるし、除去を難しく
  するために罠が仕掛けられることもあるのでどちらにしてもこの方法は危険な手であるといえる

4、人を使う
  捕虜や敵国市民(もちろん銃で脅して)に地雷原を歩かせるという方法もある、独ソ戦ではドイツ軍、ソ連軍双方が頻繁に用いたといわれている
  但し、地雷の種類によってはX回(Xは任意の数)踏んだ時に爆発するというものもありこの場合にはこの方法は意味をなさない
  犬などの動物を使う手もあるが望んだ方向に進んでくれないなど使い勝手は非常に悪くあまり使われることはない
  人を使うにしても動物を使うにしても重量の関係から対戦車地雷に対する効果は薄いと言える。

5、無視する
  地雷除去のための有効な手段がない、又はあったとしても除去に時間が取れない場合は「踏んだら運が悪いと思ってあきらめろ」と言わんばかりに
  地雷原を突っ切るという選択肢をとる場合もある。国や組織によっては(主に全体主義体制の国家等に多い⁾)最初から「別に兵士が地雷を踏もうが構わない」と
  いったスタンスものと行動している場合もある。

スマート地雷と地雷問題

ベトナム戦争のころに開発された空中散布型の地雷は友軍にも、さらには散布した部隊自身にもどこにあるのかが把握できず自軍にとって障害になることもあった
このため一定時間が過ぎると無力化或いは自爆するものや特定の電波によって発見、除去を容易にするものなどが開発された。
もともとは純軍事的な理由で開発されたものであったが、発展途上国を中心に紛争後に残された地雷が問題視されるようになるとこういった無力化機能のある
スマート地雷は人道的な問題も解決しうるものとなった(但しタイマーなどの無力化機能が故障することなどもあり完ぺきではないが)
技術的に見れば現在問題視されている残留地雷の問題は解決可能であるといえる。しかし、スマート地雷は従来からのシンプルなものに比べると高コストになる
そもそも(現代ではだが)人道性を考える軍隊はむやみやたらと地雷を敷設したりはせず、後先考えずにやたらと地雷を埋めるのは得てしてゲリラなどの非正規軍
である場合が多くこういった組織からすれば高コストなスマート地雷よりも中国などで作られた安価な地雷のほうを好んで使うためこの問題を解決することは困難である。

関連条約

対人地雷禁止条約(オタワ条約)
この条約によって現在は対人地雷(対戦車地雷は対象外)の保有、使用、生産、譲渡(売却含む)が禁止されている
しかし大量保有国であるアメリカ、ロシア、中国、インドなどをはじめ40か国が批准しておらずこういった国が
輸出(反政府ゲリラなどの非正規戦力へ流れている場合もある)を続けているため条約の実効性への疑問は根強い
日本は1997年に署名しているため自衛隊は対人地雷を持つことができなくなっている。広い海岸線を守るために自衛隊は多くの地雷を保有していたが
これが使用不可能になった。このため地雷に変わる装備としてクラスター爆弾とリモコン方式の仕掛け爆弾(クレイモア)によって代替する方針であったが
クラスター爆弾についてもオスロ条約を批准したことによって使用できなくなるため防衛力の低下が懸念されている。

地雷に関する書籍


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