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化学兵器


化学兵器(かがくへいき)とは、毒ガスなどの毒性化学物質を使い人や動物に対して被害を与えるために
使われる兵器のこと。化学兵器禁止条約では、毒性化学物質の前駆物質や
それを放出する弾薬・装置も含むものとしている。

一般的によく知られているのは、
サリン(オウム真理教が使用したことで有名)
VXガス(オウム真理教が精製、使用した)
他にも
イペリット(マスタードガス)
青酸ガス
ダブン
クロロアセトフェノン
等がある

化学兵器は以下の種類に分類できる

窒息剤 糜爛(びらん)剤 神経剤
ホスゲン、塩素ガスなど マスタードガス、ルイサイトなど サリン、タブン、
ソマン、VXガスなど
主として喉や肺などの呼吸器系に
作用するもので肺気腫などを発症させ
窒息死させることを想定したもの
目、呼吸器などの粘膜に作用するため
ガスマスクの使用によって
防護することが可能
皮膚を激しく糜爛(ただれ))させる作用の
あるもの吸い込めば喉や肺なども
ただれるため肺気腫などを起こし
呼吸困難となることもある
皮膚にも作用するためガスマスクのみでは
防げずゴムを浸食する作用もあるので
特殊な加工を施した
防護服が必要になる
神経伝達物質の正常な作用を妨げ
神経系を攻撃することを想定したもの
痙攣などの症状を起こし筋肉を麻痺
させるため最終的には呼吸器系の
筋肉が麻痺し死に至る
呼吸器系のみでなく皮膚からも
浸透、作用するためガスマスクと
防護服が必要である

初期の物では主に反応性の強い薬品から発生するガスであるが、後に生物の代謝機能に悪影響を与える物質などが利用されるようになった。
これは揮発によるものだけではなく、液体が噴霧された霧状の状態を含み、今日の毒ガス兵器と呼ばれる物は、
常温下に於いて液体(粘度の高いものを含む)の物が多い。

古くは有害で人体を蝕む化学反応を起こす物が利用されたが、近年ではサリンなどに代表される
神経性の毒物(少量でも呼吸や心拍の機能を含む運動機能や感覚機能に甚大な影響を与える)
が使用され、特に神経性の毒物では、神経系を信号伝達を不可能にして破壊する事から、予後が悪く後遺症が残りやすいとされる。
また人体の代謝機能を破壊し、徐々に人体を蝕む薬品もあり、即効性は無いものの致死性のこれら兵器では、予後は極めて悪い。

主に反応性の強い薬品では、太陽光に含まれる紫外線などの働きにより、
短期間で無害な物質に分解するとされるが、中には長期間の汚染を発生させ、
核兵器程ではないにせよ周辺環境を悪化させる物もある。
無毒化処理には強酸性や強アルカリ性の薬品と反応させたり、
強力な紫外線照射や電流といったエネルギーを与え、分解又は化合を促す事で無毒化させる。
または大量注水して安全濃度にまで薄めるなどの方法も取られるが、単純に薄めた場合は有害な汚水が大量に発生する事もあり、
広域土壌の除染には向かない。

化学兵器の歴史

初期
古くは第一次世界大戦に初めて使用され、多くの被害をだしている。
この時代、戦闘は塹壕戦により膠着状態(両軍共に塹壕を掘ってお互いに回り込もうとするが、兵力が拮抗している場合に、補給線が続く限り何ヶ月もにらみ合い状態に陥るケースも見られた)
に陥り易かったが、塩素ガスを用いて相手陣地側の兵力を削ぐ目的で使用された。
後にホスゲンが開発され、同様に利用された。
これらのガスを吸引した兵士は、高濃度のガスに晒されれば勿論全身の組織を塩素による化学反応で破壊されて死亡した訳だが、
低濃度でも呼吸器官に甚大な被害を受け、喀血して死亡しないまでも、呼吸困難に陥って長い間症状に苦しむ事から、
非人道的な兵器として恐れられた。なおこの時代の毒ガス兵器は、風向きを考慮に入れ、
相手陣地の風上から燻すような方法が取られた。なお同時代にあっては、相手戦力の士気を落とす目的で、
無毒な煤煙で燻す戦術も行わたという。

中期
後にガスマスクが広く利用されるようになると、肺呼吸だけではなく皮膚呼吸によって傷害を与える化学兵器の開発が進められた。
第二次世界大戦においては「毒ガスが使用される」という風評被害により軍隊内の士気が低下する問題が指摘された他、
毒ガスを航空機や投下する爆弾により散布する技術の発達により、
非戦闘地域にいる民間人にまで化学兵器に対する恐怖心が蔓延し、社会問題となった。

後期
第二次大戦中から冷戦の時代に掛けて、神経性の物や糜爛性(皮膚をただれさせる)の物が開発された。
この時代において化学兵器は「貧者の核兵器」と形容され恐れられた。
特に冷戦時代の赤狩り(民主主義圏におけるヒステリックな共産勢力の糾弾が行われた)が横行した頃には、
化学兵器による侵略やゲリラ的な活動が懸念され、大きな社会不安となってあらわれた。

一方、米国はベトナム戦争当時、平野での戦闘に慣れていた米軍が、森林での戦闘に長けていた(ろくな兵装も無い)ベトナムゲリラに
苦戦していた事から、森林を平地化するため、焼夷弾による焼き討ちと平行して、大規模な枯葉剤の散布を実行、
広範囲にダイオキシン汚染を引き起こした。この物質は、催奇性が極めて高く、また非常に安定しているため、
この汚染により長い期間、ベトナム全土で異常出産の問題が発生している。

またイラクではフセイン政権によって紛争地域で神経性の化学兵器が使用され、紛争地域に含まれていた村落で住民が多数死亡する等の
事件も発生しており、他の国も紛争地域における化学兵器を使用する事例が見られた。
これの時代を通じ、化学兵器による環境汚染や後遺症の問題が明らかとなり、また世界に知れ渡った事から、
化学兵器禁止条約(CWC)が締結され、国際社会では「化学兵器は使用してはならない」という共通認識が生まれ、
過去に製造された化学兵器の無毒化処理や廃棄が進められている。


現在 これら化学兵器は、核兵器と比較して製造が容易ながらも、使用方法如何では核兵器並に陰惨な被害を発生させ得る事から、
「貧者の核兵器」とも言われ製造を行っていると指摘されれば国際社会から非難されやすい。
このため国家規模ではこれら兵器を使用する事は勿論、製造する事も忌み嫌われているが、現在ではテロリストに使用されることが危惧されている。
旧東側諸国(ソ連などの社会主義圏)では国家の解体により管理が等閑となった化学兵器の流出が危惧されているほか、
過去に遺棄された化学兵器が周辺土壌を汚染している等の問題も発生、現在では「如何に安全に処理するか」の研究が進められている。


かつて世界では一度もテロに使用されたことのなかった化学兵器だが、1994年世界で初めてオウム真理教がサリンを使用した、
松本サリン事件を起こし、7名の死者・660人の負傷者を出した。
しかし当初は近所に住む市民の仕業と思われ、冤罪事件となった。同事件の成功(教団が関与したとは、当時考えられていなかった)
松本サリン事件
により同教団は1995年東京都地下鉄内で大規模な毒ガステロ(通称地下鉄サリン事件)を実行、死者12名・3794名が負傷する惨事となった。


この事件を受け、自衛隊では従来の災害救助任務の範疇に、毒ガス汚染に対応する事を決定した他、他の国でも年々悪化するテロリストの問題に、
化学兵器に対する備えを始める所も出てきた。

化学兵器に関する条約
化学兵器禁止条約(CWC)

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